今週のASEAN編はシンガポールについてです。シンガポールというと富裕層なイメージがあるでしょうか。シンガポールはそのイメージにふさわしく、ASEANを牽引していると言っても過言ではないでしょう。
シンガポールは、一人当たりの総所得はASEANでは群を抜いています。日本からの輸出金額は2.5兆円とASEANの中ではタイに次ぐ2番目の金額で、また現地の日本法人数もタイ次いでASEANでは2番目です。
観光で行かれた方も多いのではないでしょうか。自身も渡航したことがありますが、噂通りとてもクリーンな国でした。その分ルールも厳しそうでしたが。。今回はシンガポールを簡単にご紹介していければと思います。
国や文化
国土面積が非常に小さい事は多くの方がご存知かと思います。高温多湿で海に面しており、冬でも海水浴ができるぐらいです。元々、マラッカ王国が建国しましたが、その後ポルトガル領になり1963年マレーシア連邦の一州となりましたが、1965年に完全独立しました。
もちろん第二次大戦中に日本人が植民地として支配していた事を忘れてはいけません。戦後は独立しASEAN諸国との地域連携協力に努力しています。お隣中国との経済的・文化関係は極めて密接と言えます。
そのシンガポールですが、90年まではリー首相が31年間長期政権を維持。その後首相が変わりますが、リー首相の長男であるリーシェンロン氏が04年より今日まで長期政権を再び維持しています。
人口
高所得を維持しASEAN諸国を牽引するシンガポールですが、実は日本と同様出生率が非常に低い国です。現在の人口は約580万人で2030年には620万人と微増していくのですが、人口ピラミッドを見ると、全く日本と同じ形になります。
つまり労働層が極めて少なくなり後期高齢化社会と転じていくのです。これだけの人口で経済を支えるシンガポールですが、現地での物価は非常に高いと言えます。今後、物価は上昇傾向となり、また福祉の問題も浮き彫りになりそうです。
特徴
文化の中心は仏教が3割ぐらいで、華僑の人が多く、マレー系は人口の13.4%にしか満たないです。これだけの高い生産性を誇り、国全体として高付加価値製造業を推進しています。
ご想像通り金融業や情報通信での拠点を機能に力を入れており、優遇税制措置による外資系企業の誘致に力を入れています。
皆さんは「広東語」にあまり馴染みがないと思いますが、「広東語」は香港やマカオで使われる事が多く、中国の北京語とは異なります。シンガポールでの公用語は英語、広東語、北京語そしてマレー語も使われています。
複数の言語が入り混じっている国ですが、ビジネスをする場合は基本的に英語で問題ありません。
主要産業
国土が非常に狭い国ですので、土地利用をした産業は厳しいですが、観光産業としてはタイに次ぐASEANでは2番目の国になります。ご存知のマリーナ
ベイサンズではカジノもあり、多くの環境下客の誘致を試みています。
現地での法人数もASEANでは2番目で、日本とは輸出で2.5兆円の取引があり主にはシンガポールから他の国へ輸出する商品をしめます。つまり、シンガポールでは関税がありませんので、シンガポールを拠点とし商品をASEA流通させているようです。
まとめ
シンガポールについて触れてきましたが。人口減少の問題や国王が独裁的によりつつある事もありますが、国は経済や産業も安定しています。年末年始に一度だけ訪れた事がありますが、噂通り街は綺麗ですし、治安も全く問題ありませんでした。
独裁政権がいいか悪いかは別として、シンガポール国内での産業だけではなくASEANのリーダー的存在は健在です。シンガポールへ進出する事は一つのステータスと言われています。高い出店料を払いシンガポールにアンテナショップがある事が、他の東南アジア進出への足がかりになるとの事です。
これだけの存在感がありますから、シンガポール「ブランド」としての価値も非常に高いのだと思います。日本の企業がASEANの国と業務提携するとすればやはりシンガポールは外せないと思います。