皆さんは東南アジアにある小さな(と、言ったら失礼ですが)ブルネイという国をご存知でしょうか。実は日本が「超お得意様」で、ブルネイの対日本向けの天然ガスは総額の95%以上になります。
ブルネイがどこに位置しているか地図で見てみましょう。地図からも分かるようにインドネシアと隣接している国です。
観光においては、英語が通じ安く、宿泊費も安く、食事も美味しいとの事。「世界1安全な国」とまで言われている国だそうです。
国について
ブルネイは正確には「ブルネイ=ダルサラーム国」と言います。以前はイギリスと協定を結び、第二次大戦中は日本が占領していました。1984年に完全独立を果たし、現在に至っています。
国王が首相、国防相、財務相を兼任し、側から見ると「独裁政権?」と思えるぐらいの支配力ですが、経済は高水準を維持しており、高福祉政策で民主化とのバランスを維持しています。
人口と所得
総人口は46万人と少ないですが、人口ピラミッドから見ても分かる通り、労働層が多くまだまだ経済発展が見込めると言えます。興味深い資料があります。下記はASEAN諸国の所得のランキングです。
人口が多いインドネシアは総所得では圧倒的で、以降、タイ、フィリピン、シンガポールはおおよそ想像がつくのではないでしょうか。今回取り上げているブルネイは人口が少ないこともありASEANでは最下位です。
ASEAN所得ランキング(総所得順)
総所得(億ドル) | 1人当り総所得(ドル) | |
インドネシア | 9,334 | 3540 |
タイ | 4,105 | 5,950 |
フィリピン | 3,835 | 5,950 |
シンガポール | 3,060 | 54,530 |
マレーシア | 3,052 | 9,650 |
ベトナム | 2,067 | 2,160 |
ミャンマー | 647 | 1,210 |
カンボジア | 198 | 1,230 |
ラオス | 156 | 2,270 |
ブルネイ | 127 | 29,600 |
ところが今後は一人当たりの総所得をランクしてみると、ブルネイはシンガポールの次に続く第に位になり、一人当たりの所得が非常に高いことがこの表を見てわかります。
シンガポールにはまだまだ遠く及びませんが、2017年の世界の統計を見ると日本は23位でした。ブルネイは28位とまさに日本にも迫ってくる勢いなのです。日本は人口が1.5億人ですがブルネイは46万人。それだけ生産効率が高いと実証出来るのでなないでしょうか。
ASEAN所得ランキング(一人当たり)
総所得(億ドル) | 1人当り総所得(ドル) | |
シンガポール | 3,060 | 54,530 |
ブルネイ | 127 | 29,600 |
マレーシア | 3,052 | 9,650 |
タイ | 4,105 | 5,950 |
フィリピン | 3,835 | 3,660 |
インドネシア | 9,334 | 3,540 |
ラオス | 156 | 2,270 |
ベトナム | 2,067 | 2,160 |
カンボジア | 198 | 1,230 |
ミャンマー | 647 | 1,210 |
主要産業
天然ガスの輸出を主力産業としメタノールの生産に注力しています。国土の面積が小さいために食料品はほとんど輸入に頼っています。
発展し続けるブルネイに新たな食文化をこれからマーケティングして行くのも後発とは言えないのではないでしょうか。
現在、日本からは多くの乗用車を輸出しています。これは新中古車を含めていますが日本からの輸入品も多くあり、前述しましたが、自動車産業以外の方もまだまだチャンスがありそうです。
インドネシア編でもお伝えした通り、ブルネイも80%がイスラム教徒ですので、食品や食文化をブルネイに輸出を検討されている方は「ハラール」に注意したいです。
観光
まとめ
「シャリア刑法」というイスラム教に基づく刑法をご存知でしょうか。シャリア刑法とは簡単に言えばイスラムの厳しい戒律です。例えば、人前での飲酒や喫煙がそれに当たります。
これは外国人や非イスラム教徒でも適用され、観光を考えられている方は注意が必要です。詳しくは在ブルネイ日本大使館のページのリンクを貼らせてもらいました。下記、ご参照ください。
https://www.bn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/sharia.html
日本人にはまだまだ馴染みの薄いブルネイですが、国はいたって平和で高所得を維持しているブルネイ。恥ずかしなから日本人にはまだ未開の要素がありますが、逆にチャンスがあるとも言えます。
国王が主要な権力を握っており一見独裁的にも見えますが、天然資源が主要産業で有る限りはまだまだ安泰と言えます。この記事がブルネイとの新たなビジネスチャンスの発掘の機会につながれば幸いです。