FRB議長がトランプ大統領により解任されるかもしれないというニュースが報じられています。FRB議長が実際に解任されかは据え置きますが、トランプ大統領はなぜパウエル議長へ強く要求しているのでしょうか。

1. トランプ氏がFRB議長パウエル氏を強く批判
- 「利下げが遅すぎる」とトランプ氏は発言。
- 「ミスター・トゥーレイト(遅すぎる男)」とまで呼び、利下げが不十分と主張。
2. 議会(共和党・民主党双方)からは批判の声
- 「大統領にFRB議長を簡単に解任する権利はない」とネタニエル下院議員。
- ウォーレン上院議員も「市場に混乱を招く」と解任論を非難。
3. FRBの独立性を守るべきという議会の主張
- 金融政策は政治から独立して行うべきであり、議長解任による圧力は問題視されている。
4. 背景にあるのは物価上昇と高金利への不満
- 2022年以降のインフレ対応でFRBは利上げを続けてきた。
- しかし2024年以降は利下げが期待されており、トランプ氏は早期利下げを強く望んでいる。
利下げをすると?
利下げ利下げと言われておりますが、利下げをすると物価が上昇する恐れがあり不景気になるとニュースには報じられています。
利下げになると円高になると言われており輸入が多い会社には利益が出ます。ですが、なぜ不景気になるのでしょうか。
利下げと物価上昇の関係
利下げとは、FRBが政策金利(フェデラルファンド金利)を引き下げること。これにより企業や消費者が借金しやすくなり、経済が活性化する。
しかし、需要が高まりすぎると物価(インフレ)が上がる。そのため、FRBは通常、インフレが高いときは利上げをして需要を抑える。
現在のように「インフレが落ち着いてきた」とされる状況では、景気の悪化を防ぐために利下げを検討する局面。
経済は活性化するのになぜ利下げを渋るのか
- 経済を急速に回復させようとすれば → お金の流れが一気に増えて **インフレ(物価上昇)**が起きやすくなる。
- 物価を抑えようとすれば → 利上げなどでお金の流れを絞るため、景気が冷え込みやすくなる。
つまり、「景気をよくしたい」と「物価を安定させたい」は、時にトレードオフになることがあります。
例え…
経済を動かすのは、車の運転のようなものです。
- アクセル(利下げ)を踏めばスピード(景気)は出るけど、急に踏むと危ない(インフレ)。
- ブレーキ(利上げ)を踏めば落ち着くけど、強く踏みすぎると止まりすぎてしまう(景気後退)。
なので互いのトレードオフが切っても切れない訳なんですね。。
FRBのような中央銀行には「冷静で中立な判断」が求められ、大統領のような政治家が強く介入しすぎると、目先の人気取りで判断が偏りやすくなるという懸念があるようです。今後も米国におけるFRBの動向は注視が必要です。