HSコードとは
貿易取引に携わっていると関税率はどれぐらいなのか?という疑問に当たることがあります。ご存知の通り世に溢れる輸入品の多くは関税を課されていますが、それはものによって違いがあります。さまざまな商品を全て記憶することは難しいので、ネット検索に頼るのが一番良いです。その関税率を調べるにあたり「HSコード」を調べる必要があり、どのジャンルに属しているか調べなくてはなりません。
例えばコーヒーを輸入しようと思って、税率はどれぐらいなのでしょうか?私も即答ができないので、やはり「HSコード コーヒー」とネット検索をすると出てくるので、コードを元に税関のHPで該当しそうな項目を見つけています。まずはHSコードの仕組みから簡単に解説します。

HSコードの仕組み
HSコードは世界160カ国で共通されているコードです。実際に「HSコード コーヒー」と検索してみます。
検索すると説明画面でコーヒーのHSコードは0901.21ですと検索結果が出てる句と思います。どのような仕組みになっているかというと、
前2桁 → 大まかな分類(例:コーヒーお茶など 09)
中2桁 → さらに細かい分類(例:コーヒーなら0901)
後2桁 → 具体的な商品(例:カフェイン入り0901.21)
このようになっています。
税関のHPでHSコードを調べてみよう
HSコードがわかったら実際に関税率を調べてみます。税関のHPに行くか、ネットで「実行関税率表」と検索すると関税率がわかるサイトが表示されます。身近なものを例として調べてみました。
調べ方はとても簡単です。インターネットのブラウザー画面でHSコード (検索したいもの)を調べると簡単に検索ができます。
例えば、HSコード スパークリングワイン(シャンパンはこの分類です)と調べると「2204.10」と検索結果が出てきます。

HSコードがわかったら今度は税関のHPも見てみましょう。
税関の実行関税率のサイトはこちら:実行関税率表
こちらのサイトに行くと関税率表が並んでいます。その中から第何類を調べます。
スパークリングワインの例えだと、22類になりますので22類の税率という箇所をクリックすると税率の一覧表が表示されます。(下記リンク)
税関のサイトはこちら(第22類-飲料、アルコール及び食酢):第22類税率
HSコードが貿易にどう影響するのか?
HSコードは、輸出入の際に必ず必要となる「貿易の共通言語」とも言えるものです。このコードを正しく理解しておき、どれぐらいの関税率になるのか事前に把握しておくと適正価格に対して準備ができます。一方で、誤ったHSコードを使用すると、商品の原価計算をする際に取引先に誤った見積り金額を提示してしまうので注意が必要です。
例1:Tシャツの関税率の違い
HSコード | 商品 | 関税率 |
---|---|---|
6109.10 | 綿製のTシャツ | 5% |
6109.90 | 化学繊維のTシャツ | 8% |
例えば、先にもイラストで説明させて頂きましたが、日本に輸入するTシャツが綿100%の場合は関税率が5%ですが、ポリエステルなどの化学繊維が含まれると8%になります。このわずか3%の違いが、大量輸入時には大きなコスト差になります。この手のものが私たちが輸入している「カバン」でもあります。
例2:バッグの分類ミス
HSコード | 商品 | 関税率 |
---|---|---|
4202.21 | 革製バッグ | 12%~20% |
4202.92 | 繊維製バッグ | 8% |

関税率は貿易協定により変わったりしますので、貿易協定については別途解説します。
まとめ
- 関税率を調べるにはHSコードが必要。
- HSコードはネットで検索
- HSコードを調べたら、税関のHPでおおよその税率を把握。
- 輸入したい商品のおおよその関税率を把握することで、原価も把握できる。
こういったメリットがありますので、関税率を事前に下調べするのは有効的です。詳しくはお付き合いのある通関業者様が詳しいので、わからなければ相談してみるのも手です。また、税関に直接問い合わせることも可能です。
詳しくはこちら:事前教示回答