ケーススタディ①輸入商品の原価を考える

私たちのホームページを拝見して頂き、貿易代行のお問い合わせを頂くことがあります。様々な条件がありますが、その中でも多いのが「商品の仕入れ代金がどれぐらいになるか」です。

ドルやユーロでの外貨での仕入れ金額は分かっているが、船便や航空便で輸送する場合の経費は?

と、お問い合わせを多くお寄せ頂いております。

海外の見本市や日本国内での展示会で商品を発掘し輸入をお考えの方も多い

ざっくり原価の計算方法

現地からの金額が「$10なので、1000円ぐらい…??」

と、はならないのが貿易ビジネスです。まずはコンテナ船で輸入する場合と混載便で輸入する場合の違いを知らなければなりません。

単純に言えば上図のようになりますが、経費などを考えると一々と確認が必要です。

貿易のFCL(コンテナ)とLCL(混載便)の違いについてはこちらから

経費の計算方法

このFCLとLCLによって何が違うのかはここでは割愛します。原価計算方法に移っていきたいと思います。

ここでご注意頂きたいのがFCLとLCLの経費が同じということはまずあり得ません。あくまでも参考例として同じ金額にしていますが、基本的にはLCLの方がより高くなります。従って下記のような経費になることがほとんどとなります。

LCLのメリットは小さい貨物の場合や量が少ない場合に重宝します。

関税について

大体の経費の目安がつくと原価計算としてはほぼ完了となります。そこで気を付けなければならないのが関税です。

下記リンクは実行関税率表となります。まずは自社の商品のHSコードが何か調べる必要があります。

これはGoogleなどで簡単に検索ができます。安心ですね。下記画像では例としてバッグのHSコードを調べてみました。参考にしてみてください。

税番を調べるにはGoogleや検索エンジンで簡単に調べられます。

税関のHSコードが分かりましたら、税関のホームページでも関税がご確認頂けます。

税関のHP。関税率は世界情勢により変更することがあります。

関税は商品によって違いますので注意が必要ですが、税率が分かればパーセントを商品代金に掛ければ計算ができます。

まとめ

商品の原価を計算するには…

  1. コンテナ便か混載便か
  2. 船の経費はどれぐらいか
  3. 関税はどれぐらいか

上の1~3の情報が満たされてくると、大体の原価を計算でき、その商品が市場価格に合っているのか、競争力があるのか、粗利はどれぐらい取れるか、などが分かります。その情報を元に御社のマーケティング戦略に沿っているかを確認し、商品を世に送り出すことが出来るという事です。

(筆:阿部 2021年8月5日)

より詳しくはJETROのホームページから:

輸入税額の計算方法

https://www.jetro.go.jp/world/qa/04M-100421.html

貨物運賃の基準及び運賃以外の経費について

https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-010144.html

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